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Minato Unesco Association

東京都立三田高等学校ユネスコ委員会来訪

-ユネスコ活動および戦争と平和について考える-

 恒例になっております三田高等学校ユネスコ委員会の生徒さんによる当協会訪問は、新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりに実現することができました。今回が9回目の開催となります。当日は総勢21名の生徒さんたちが大野豊司先生に引率されて来訪してくださいました。最初に事務局より、当協会の活動内容などについて具体例を挙げて紹介しました。

 続いて、田部会長が講師として、ご自身の戦争体験を中心としたお話しをされました。
 父親の満州への転勤に伴い、魚雷が航行している危険な日本海を3艘の船で渡ることになったが、ご自身の乗っておられた船のみが中国大陸に無事到着できたこと。原爆が投下された中心地に祖父母の家がありそこに疎開していたが、満州に一緒に移動していたことにより生き延びることができたこと。戦後、当時住んでいた満州の街にロシア兵がどんどん入ってきて、日本人の三人に一人をシベリアに差し出すよう強要されくじ引きになったが、父親がくじに当たらずシベリア行きを逃れることができたこと。帰国後の電気もないガスもない原始的と言っていいほどの生活。日本はそこから少しずつ復興していき、経済大国になるなど現在に至っていること。

 そして、「これからの日本」として、日本は平和な国と思っているが、ロシアのウクライナ侵攻や中国の台湾進攻など覇権主義的な動き、北朝鮮の軍事開発と挑発行為と、隣接する国々をみると、実は危険に満ち溢れていること。皆さん若い方々が日本の未来をどうしていくのかを考えていただくことが大事であるという問題提起をしていただき、講話を終了しました。

 最後に、ユース委員会を代表して古市常任理事から「高校生の皆さんと一緒に、私も経験していない戦争体験の話しを聞くことができ、このような違う世代間の交流を持つことの重要性を改めて認識させられた。」などのコメントをいただくとともに、今後の当協会のユネスコシップなどのイベントへの参加による交流、協力を呼び掛けていただきました。

(事務局 新福彰二)