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Minato Unesco Association

2019年第2回国際理解講座「ルーマニアの風土が育むクラシック音楽」

講師:嶋田和子氏
日時:2019年9月12日18:30~20:30
会場:港区生涯学習センター305号室

NPO法人日本ルーマニア音楽協会の理事長である嶋田和子氏をお招きして、ルーマニアという国について、とりわけ音楽事情を中心にお話を伺った。

  1. ルーマニアとの出会い
    ルーマニアと聞いて連想するのがコマネチ、ドラキュラなどだが、実は東欧唯一のラテン系の国であり、言語もイタリア語に近い。1999年、ピアノ教師として活動中に偶然ルーマニアの音楽と出会い、2001年初めてこの国を訪ねた。ご縁が出来て日本ルーマニア友好100周年記念行事に同行して演奏会を開き、学校訪問したいと希望したところすぐにOKが出て、日本語クラスの視察が実現。生徒たちは日本アニメに親しんでおり、彼らの日本愛に驚き、感動した。以後10年以上、交流が続いている。
  2. ルーマニアの基礎情報(画像を見ながら)
    東欧の国であり、黒海に面する。ジョルジェ・エネスク博物館、アテネ音楽堂、ルーマニア国立歌劇場などは必見。世界遺産のマラムレツシュ(木の教会)は心が安らぐ。「愉快なお墓」は、故人の生前の姿が描かれた陽気な墓地である。日本では「ドラキュラ伯爵」として知られるヴラド3世は、ルーマニアではオスマン帝国の侵略から守った英雄と捉えられている。市場には豊富な食品が並ぶ。ワイン、チーズ、サラミ、パプリカ、カリフラワー、レモネードなど。コメ入りのスープもおいしい。日本と違い、コウノトリは普通に飛んでいるのが見られる。
  3. 音楽事情
    ルーマニアの音楽家として一番に挙げるならジョルジェ・エネスク(George Enescu)である。作曲家・ヴァイオリニスト・指揮者であり教育者。ジョルジェ・エネスク博物館にはホールがあり、私たちも時々演奏させて頂く。もう一人、ディヌ・リパッティを紹介したい。ピアノを学ぶ者にとってはピアノの神様と呼ばれる人物である。ジョルジェ・エネスク国際コンクールとフェスティバルは隔年ごとに開催され、世界中から4,000人を超える音楽家がブカレストに集合する。2016年には日本人で初めて石井琢磨氏(Mr. Takuma Ishii)がピアノ部門第2位を受賞した。ルーマニア出身で現在活躍しているアーティストには、ラドウ・ルプ(Radu Lupu)、インナ(Inna)、アンジェラ・ゲオルギュー(Angela Ghoerghiu)らがおり、民族音楽で有名なのはゲオルゲ・ザンフィル(Gheorghe Zamfir)である。日本にまで彼らの名声が届いていないことを残念に思う。
  4. 協会主催コンクール
    [ルーマニア国際音楽コンクール]ピアノ、声楽、弦楽器、管楽器、打楽器、アンサンブルの6部門で審査。開催は15回を重ねてきた。審査基準は「これから活躍していくだろうという将来性」と「舞台と会場が一体となってパフォーマンス出来る方」の2点であり、技術が素晴らしいというだけでは入賞できない。入賞者の中には世界で活躍する方もいるし、後進の指導に当たる方もいる。

    [ルーマニア国際音楽コンクールJr版赤坂ジュニア音楽コンクール]入賞者披露演奏会会場はルーマニア大使館。ルーマニア特命全権大使であるタチアナ氏が、「今ルーマニアを知ってもらうことが、50年、100年先の日本とルーマニアの交流を応援することになる」との信条で応援して下さっている。

    [ルーマニア演奏旅行]毎年10月に開催。今回初めて、ジュニア音楽コンクールでグランプリを取った小学生が参加する。会場は、ルーマニアで最も美しいと言われるペレシュ城(Peles Castle)他3か所でコンサートを開催する。
  5. 今後のルーマニアとの交流
    従来の活動に加え、Icon Arts 主催のサマーセミナーに参加。昨年、ルーマニア大使館に日本ルーマニア音楽協会からグランドピアノを寄贈したので、大使館で演奏会開催を予定している。日本の方々にルーマニアをもっと知って頂きたい。ルーマニア料理に関心がおありでしたら、錦糸町のラ・ミハイをお勧めします。

映像を見ながらのお話には、ルーマニア愛があふれていました。最後の質疑応答では、ルーマニアに是非一度行ってみたいという声が複数ありました。なお、嶋田氏には港ユネスコ協会の「ルーマニア料理」「ルーマニア大使館訪問」についても多大なご協力を頂きました。この場を借りて感謝申し上げます。