日時:2020年1月23日(木)正午から
会場:NEC 三田ハウス 芝倶楽部
令和二年の新年を迎え、会員親睦の会を開催。27名の皆さまと共に楽しいひと時を過ごしました。
永野 博会長から新年のご挨拶
三輪公忠名誉会長、高井光子前会長を迎え、来年の港ユネスコ協会発足40周年の歴史の重みを感じながら今日の集いを新たな飛躍に向けていきたいとのご挨拶で開会。
年頭講演 「禅の世界 日々あらたまる自分との出会い」 青松寺・釜田無関師
MUAの坐禅体験講座で指導頂いている釜田無関師は、ヨーロッパでの曹洞宗国際布教の仕事としてパリでの4年半の活動という要職も体験。世界の人々とのコミュニケーションでまずは言葉が課題となるなか、センテンスの作り方が多様なフランス語を通して、「細かいことは気にせず、とにかくしゃべる」ことの重要性を感じ、意思疎通と交流の楽しさを知った、というお話から始まりました。
帰国後も愛宕という場所がら諸外国の方々が多く訪ねて来られるので、英語で説明する際も、黙ってしまうと理解してもらえないので、多少文法が間違っていても、とにかく話し続ける努力をしていらっしゃるとのことでした。(MUAの坐禅会でも「英語解説」を頂いています。)
なぜ世界の人々が「禅」に興味を抱いているのでしょうか?
今日のような競争社会の中で生きていく為には、同僚・ライバルとの中で「自分自身をしっかり持つ」ことが大事と認識して、ジョギング、ヨガに対することと同じように「自分磨き」の一環として捉えているように思えます。仕事の前や後に道場に集まり、坐禅し、お経を読むことを続けるのは大変なことだと思いますが、自分自身のためだからでしょう、長期で継続されている方が多いです。禅の目指すところは「『我』へのとらわれを捨てること」ですが、最初は真逆の「鎧を着る」形になっています。しかし、皆さん十年も続けていくと徐々に自我を固めることから「脱力」することを覚えるようになり、「無我」という方向へのシフトチェンジをしていくように思われます。
人それぞれ入り方は違いますが、続けることによって最終的に禅の考え方が伝わっていっているように思います。ヨーロッパに曹洞禅が伝わって50年が過ぎています。今は3世代目となり、日本に渡り伝統的な修行をしてみたいという人々も着実に増えてきました。
お釈迦さまの教えの基本には「一切皆苦」「諸行無常」「諸法無我」があり、「身心一如」であるともおっしゃっていると、板書してお話を頂きました。人間の体をミクロで見ていくと「分子」や「細胞」が寄り集まって「私」となっており、そしてその私の体を構成するものを更にマクロで捉えていくと、今度は「環境」「コミュニティ」そして「宇宙」へと、無限につながっています。「無我」の「無」とは、実は「全部」という意味なのです。「One for all, All for one」という言葉を最近、ラグビーでも耳にしますが、「一人は全員のために、全員は一人のために」というそのスポーツ精神も似たような意味合いです。「私」たちという存在は「宇宙」と同等に不思議な仕組みでつくられていて尊い。そして宇宙すべての尊い存在同士が巨大なネットワークで繋がり一つの宇宙を作っている。見えない繋がりを感じ取り、自分と外の世界との境界線がどんどんと無くなっていく、そんなところに「坐禅」の根本原理があります。脱力し、「身体」の本来の姿を再確認するということです。
(以上、釜田師に分かりやすくお話し頂きましたが、より詳しくは愛宕の青松寺様での参禅と法話でのご体験をお薦めしたいと思います)
菊地賢介副会長から乾杯の音頭
長野、千葉と全国の各所で自然災害の多かった昨年を乗り越えるためにも常日頃から自然を尊重し、環境問題も認識し、若い方たちと共にユネスコ活動に取り組んでいきましょう!これからの益々の発展を祈念して「新年おめでとうございます」と杯を上げました。
「日本の歌 懐かしのメロディ特集」清水軍治さんとミナト リズム レディスのみなさん
三田高校のユネスコ委員の学生さんとの「ユネスコ活動および戦争と平和について考える」の集いでは毎回アコーデオン演奏で参加頂いている清水軍治さん(2月に米寿を迎えられます)と今回はミナト リズムレディスの田丸はる美さん(クラベス)、井上映美子さん(タンバリン)、飯田美津代さん(マラカス)が加わり、全員での合唱に楽しさが倍増しました。
ドレミの歌、琵琶湖周航の歌、白いブランコ、希望、我が良き友よ、希望、100万本のバラ、花のメルヘン、いい日旅立ち、あの素晴らしい愛をもう一度、青葉城恋唄、恋のバカンス、いいじゃないの幸せならば、思い出の渚、幸せなら手をたたこう、を次々と熱唱。昭和を楽しむあっという間のひとときでした!
友金 守さんから締めの言葉
いつもエネルギッシュな友金さん。2006年から事務局長として港ユネスコ協会の盤石な体制作りに邁進されてこられた友金さんから、「これからの益々の発展を祈念して」の締めのお言葉を頂きました。
釜田無関(かまだ・むかん)師 プロフィール
2007年、仏教雑誌編集者から転身して出家し、曹洞の僧侶に。大本山永平寺僧堂で1年間修行後、青松寺獅子吼林サンガに在籍し駒澤大学大学院にて禅学を学ぶ。卒業後は曹洞宗ヨーロッパ国際布教総監部の職員として、4年半パリの事務所へ出向。2015年4月に日本に帰国。現在、青松寺獅子吼林サンガ主幹、岡山・洞松寺専門僧堂講師を務める。