ユネスコの掲げる平和の理念を実現するためには、いみじくもユネスコ憲章が指摘するように、いつ反故にされるかわからない政府間の取り決めによる平和の約束よりも、人々の間の相互理解による連帯こそが代替不可能な基盤として不可欠です。平和の追求は、地球環境、食糧、エネルギー、都市、宗教、経済格差などの諸問題とも絡み合う複雑なテーマですし、ロシアによるウクライナ侵攻は、これが理念だけのことではなく、現実の問題であることを問いかけています。全国に点在する地域ユネスコ協会が、その存在意義を発揮できる、発揮しなければいけない時代が再びきたといってもよいと思います。