世界を見よう!みなとUNESCOサロン for SDGs
“麗しの都ROMAたより”
講師: 樽見秀爾氏
【1974年三越入社、日本橋本店・シンガポール三越を経てローマ三越勤務。その後
本店及び関連会社での要職を経て2011年(株)三越伊勢丹を定年退社。再度ローマ
三越勤務。帰国後、大型客船「飛鳥Ⅱ」を運航する郵船クルーズ(株)にてお客様
ご相談窓口を担当。】
日時: 2022年3月9日(金)午後2時 ~
会場: 港区立生涯学習センター3階 305室
永野博会長の挨拶で開会し、ロシアのウクライナ侵攻で被害を受けられた方々の気持に寄添い黙祷、併せて募金のご案内をしました。
滞在10年間の振り返り ① 1992年4月~1998年2月 ② 2011年7月~2016年1月
ミモザの花 3/8は国連で定めた「国際婦人デー」。イタリアでは3/8には男性から女性に感謝を込めてミモザの小枝を贈ります。 1992年~ ローマ三越赴任時は湾岸戦争後の不安な空気が残る中、日本からの団体旅行客が少ない日々が続きましたが、94年頃から「イタリアブーム」の風が吹き、加えて95年からの「円高」により大勢のお客様にお買物を楽しんで頂くことができました。
定年を迎えて新たな人生目標 長年の三越での経験から「おもてなし」が我がテーマとの思いで二度目のローマ赴任を志願。「踏まれても 又踏まれても 立ち上がる 岩をも砕く 熱き意志もて」の気持ちを抱いて、ローマ三越のショップの責任者として再赴任しました。 2011年~ 2013年頃から中国・台湾・韓国からのお客様が増えてきたことで日本語とイタリア語に加えて五カ国語の「挨拶・案内」を毎朝礼で練習。中国語の先生を迎えての勉強と実践は、スタッフの仲間意識がより密となり「おもてなしの心」が一つになりました。
ローマを歩く ROMAの麗雅都だより: 2016 (genyou-roma.blogspot.com)
四大聖堂
★サン・ピエトロ寺院カトリック巡礼の総本山として聖ペトロの墓所に建立。コンス
タンティヌス帝により大聖堂が完成。
★サンジョバンニ・インラテラーノ大聖堂
★サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂 教皇シクストゥス五世(16世紀、今日の大
聖堂巡礼の都市計画を行った)のお墓。
★サン・パオロ・フォリ・レ・ムーラ大聖堂
七つの丘
★カンピドリオの丘:ローマはここから始まった!!
★パラティーノの丘:狼に育てられたロムルス・レムス伝説の丘
★アベンティーノの丘:街を美しく一望できます。マルタ騎士団広場「扉の鍵穴」からサン・ピエトロのドームが見えます。
★チェリオの丘
★クイリナーレの丘:大統領宮殿
★エスクイリーノの丘
★ヴィミナーレの丘:「ローマ歌劇場」
噴水(泉)
★トレビの泉:泉を背にしてタスキ掛けにコインを投げてお願いをする!当時で年間「1億5千万円」も集まり社会福
祉協会に寄付されるそうです。
★亀の噴水:ルネッサンス彫刻の名作
★(ティボリ)ヴィラ・デステの噴水群:リスト作曲「ヴィラ・デステの噴水」でも有名。
★トリトーネの噴水
★ナイアディの噴水:共和国広場
★四大河の泉:ナボナ広場
★バルカッチャ(ぼろ船)の泉:スペイン広場等々。
噴水(泉)の歴史について
「古代ローマ時代から近郊の水脈源より市内へ水を引いて(市民・家畜の)飲料水として噴水は重要な役割を果たし
てきた。又、16~17世紀には教皇らによる都市造りの一環として、彫刻家・建築家達が競って芸術性溢れる噴水を設
置するようになった。夏のローマの暑さは格別で巡礼者の疲労困憊の体に「噴水」はオアシスとなったと思いま
す。」(アンケートの質問への回答)
映画『ローマの休日』のシーンを歩く
★アン王女滞在の宮殿は「バルベリーニ宮殿」で今日の国立絵画館
★あまりのスケジュールの窮屈さに嫌気をさして街中へ脱出した第一歩は、「共和国広場」だった。
★ベンチで横になり寝入ってしまう「フォロロマーノ」
★トレビの泉の近くの美容院へ
★スペイン階段でジェラートを食べる
★ベネチア広場周辺でスクーターに乗る
★真実の口
★テベレ川
★コロンナ宮殿で王女の記者会見 。ラストシーン「この地を訪れたことを思い出として一生大切にします。」の王女
の言葉は心にしみますね。
ストリート・パフォーマンス
街中での思わぬ出会い。スーパーマン?テルミニ駅に現る
シチリア出身の『クラーク・ケント』(?)とのやりとり。「写真いいですか?」「小銭を!!」今でも優しい笑顔
は忘れられません!!路上のヘッデイングおじさん路上でデモンストレーション。ニコライさんは信号待ちの通行人
やドライバーにヘッデイングを披露して心付けを期待しています。お札でなく「小銭」の用意がいいです。
「ローマ歌劇場」
オペラ・バレエ。マイシートで憧れのリッカルド・ムーティ首席指揮者によるヴェルディ作品には特に感動。休憩時
に「書き込みのある譜面」「指揮棒」をそっと覗き見る至福の時を持つことができました。
「市立展示館」
催物センター、1882年にローマ市が建設。日本の美を紹介しようと1930年(昭和5年)ムッソリーニ時代に「日本美
術展覧会(横山大観・川合玉堂・竹内栖鳳ら80名が参加)」が、「市立展示館」で大倉喜七郎の全面後援で開催さ
れました。2020年9月に大倉集古館にて「1930年ローマ展開催90年」を観賞し、改めて日伊の繋がりの深さを感じま
した。
‘青海波’デザイン
「石畳等の路面」やエトルスキー文明時代の「器」に目にすることの多い青海波。現地では
「孔雀の尾羽根」と呼ばれ、ペルシャからシルクロードで日本に伝わったとの説があります
が、古代ローマの歴史以前のエトルスキー文明から発生しているのでは、と樽見説を抱いた
次第です。日本で馴染みの青海波で夢を膨らませてみました。
‘マーキュリー像’を探して歩く
日本橋三越のライオン像を少し上に目を移すとマーキュリー像が見えます。商業の神、伝達
の神、技能の神等々崇められている神様。ローマのヴィラ・メディチの庭園、フィレンツェ
の国立バルジェッロ美術館にてマーキュリー像に対面しました。
「東北大震災 チャリティコンサート」をポポロ教会で開催
2012年3月11日に追悼・応援コンサートを企画。運営資金として130万円ほどの
基金を集め「モーツアルトのレクイエム」を歌いました。会場狭しと700人を越
えるお客様が来場。駐伊日本大使、ローマ日本文化会館長他多くの名士に参加い
ただきました。会場で30万円の浄財が集まり、DVD・CDを添え福島市、石巻
市、仙台市に寄贈させて頂きました。
「吾伊句・短歌集」 句に、短歌に思いをのせました。
★ 「ヴィアコルソ ゲーテの願い 今光る」ゲーテ記念館のあるコルソ通り、ク
リスマスシーズンには「光フェスタ」が開催されます。
★「古の 麗雅都見ゆる 丘に立ち 聖年に我れ いざ帰らんや」いよいよ日本に帰
るという時(2016年)に「聖年」を体験。聖年とは、西暦1300年に始まった
カトリックの行事。この年にローマに巡礼すると天国へ行ける・・・特別な
赦しを与えられるとされます。
イタリア語ことば遊び
● utensileria ウテンシレリア(雨天知れりあ):家庭用品道具屋
● miscellancea ミシェラネア(見しぇらねあ):作品集、混合
● detersivo デテルシーヴォ(出てる脂肪):洗剤
● comune コムーネ(役所はいつも混むーね):市役所、町役場
● tanto タント(タントお食べなさい):沢山、多く、
等200もの単語集から一部をご紹介。元気の出るイタリア語講座!!
ROMA AMOR ローマはアモーレ「愛」がいっぱい
どちらから読んでも‘ローマはアモーレ’!!
ローマ三越は2021年7月に閉店になりましたが、一緒に働いた仲間への御礼を込めての「麗しの都」讃美の二時間でした。アフターコロナにはぜひお訪ねください!と結んで頂き、ローマへの愛情あふれたお話しに盛大な拍手が送られました。
ウクライナの方々への避難民支援募金として17,750円を受付け、日本ユネスコ協会連盟に寄付致しましたことを補記いたします。
(会員開発委員会担当 常任理事 小林敬幸)