2020年12月22日の朝刊に、次のように、大きく報道されていました。
「米有数の知日派で、1979年の著書「ジャパン・アズ・ナンバーワン」が大ベストセラーとなったエズラ・ボーゲル・ハーバード大名誉教授が12月20日、マサチューセッツ州ケンブリッジの病院で死去。90歳だった。手術後の予後が思わしくなく急逝された。」
以下は朝日新聞からの抜き書きです。~ボーゲル氏は大学時代に社会学を学び、58年にハーバード大院で博士号を取得した後、日本に2年間滞在しながら研究。その後も度々訪日。1979年に刊行された「ジャパン・アズ・ナンバーワン」は、副題に「米国への教訓」とあるように、日本の経済発展を遂げた要因を解説し、米国はその長所から学ぶべきだと説いた。それが経済大国となったタイミングで、日本人の自己愛をくすぐり、日本で大ブレークし、日本人の自国感にも多大な影響を与えた。~
なんと、大人気のこのエズラ・ボーゲル教授が、我が港ユネスコ協会の創立1周年記念事業として、1982年11月20日に流暢な日本語で講演して下さいました。会場は日本赤十字社。講演通知を出すや否や、申込者が殺到しました。教授は日本での滞在は国際文化会館だったことから、丹下健三会長、上田康一副会長、平良副会長、三輪公忠常任理事、加固寛子常任理事、見上良也常任理事がたのお力によって講演が実現しました。私はこの講演のテープ起こしを担当し、苦労しながら記録を作ったので、強く頭に残りました。今から38年前のことです。
(なお、港ユネスコ協会の例で言えば、高嶺の花のパソコンは、1984年末になってやっと中古品を購入することができて、「会報」も手書きを卒業して機械化したというような時代でした。)
「語りかけ 学びつつ 平和を創る」は港ユネスコ平和講演シリーズ1として1985年3月15日発行されました。(7つの講演の記録。A5版45頁。)講演集発行は当時事務局におられた松岡寛社会教育指導員・元青山中学校校長が中心になって進められました。冊子の命名と監修は三輪公忠上智大学教授。表紙デザインは岩本正次明治学院大学教授(常任理事)の切り絵です。
皆様、事務局でこの淡いブルーの講演集をご覧になられたことがおありでしょうか。
昨日エズラ・ボーゲル名誉教授の訃報に接し、懐かしくなり、ページを繰りました。今も、素晴らしい内容だとあらためて思いました。
(こちらに冊子の抜粋を掲載しました。ぜひご覧ください。)
以上、80歳の老人の思い出話です。
2020年12月23日 港ユネスコ協会 顧問 高井光子